愛を諦めろ!全国魔法使い連盟

自分は単独者である。にもかかわらず、社会のなかで他者と生きる。

2019-06-01から1ヶ月間の記事一覧

山川方夫「海岸公園」より①

…じじつ、私には、後ろ暗く卑劣な自分だけに没入することこそ、私にふさわしい、私が愛し、信じられるただ一つの情熱のように思えた。私はいつも自分にくりかえした。私は卑劣だ、私は最低だ、自分のことしか考えない。いかにも、それは「卑怯者」の正義だろ…

J.R.R.トールキン「指環物語」より

放浪する者すべてが、迷う者ではない。

重松清「ワニとハブとひょうたん池」より

授業中も、休憩時間も、放課後も、あたしはずっと左胸に掌を当てて過ごした。 だいじょうぶ、心臓はちゃんと動いている。あたしは死んだりしない。自殺なんか絶対にするもんか。生きていくっていうのは、つらいんだから。そうだよ、楽しいわけないんだ。いま…