愛を諦めろ!全国魔法使い連盟

自分は単独者である。にもかかわらず、社会のなかで他者と生きる。

2018-09-01から1ヶ月間の記事一覧

出典不明①

誰も僕のことを知らない 人と話すのが重力に逆らうより辛い

小山清「落穂拾い」より

僕は一日中誰とも言葉を交わさずにしまうことがある。日が暮れると、なんにもしないくせに僕は疲れている。一日だけのエネルギーがやはりつかい果されるのだろう。額に箍を締められたような気分で、そしてふと気が付く。ああ、きょうも誰とも口をきかなかっ…

田中英光「地下室から」より

私たちはどうせ死ぬのだ。あるいは生きているうちに、ユートピアの社会が来たにしても、人間には肉体的満足だけでは、どうにもできない生れながらの不幸があるはずだ。私たちは、めいめいがひとに知られぬ地下室を持っていて、その不幸に堪えるためには、生…