愛を諦めろ!全国魔法使い連盟

自分は単独者である。にもかかわらず、社会のなかで他者と生きる。

2019-01-01から1年間の記事一覧

山川方夫「海岸公園」より①

…じじつ、私には、後ろ暗く卑劣な自分だけに没入することこそ、私にふさわしい、私が愛し、信じられるただ一つの情熱のように思えた。私はいつも自分にくりかえした。私は卑劣だ、私は最低だ、自分のことしか考えない。いかにも、それは「卑怯者」の正義だろ…

J.R.R.トールキン「指環物語」より

放浪する者すべてが、迷う者ではない。

重松清「ワニとハブとひょうたん池」より

授業中も、休憩時間も、放課後も、あたしはずっと左胸に掌を当てて過ごした。 だいじょうぶ、心臓はちゃんと動いている。あたしは死んだりしない。自殺なんか絶対にするもんか。生きていくっていうのは、つらいんだから。そうだよ、楽しいわけないんだ。いま…

山川方夫「煙突」より

そうだ。孤独とは、だれも手を下して自分を殺してはくれないということの認識ではないのか。・・・そして、ぼくはぼくの孤独だけを感じた。

エーリッヒ・フロム「自由からの逃走」より

他人や自然との原初的な一体性からぬけでるという意味で、人間が自由となればなるほど、そしてまた彼がますます「個人」となればなるほど、人間に残された道は愛や生産的な仕事の自発性のなかで外界と結ばれるか、でなければ、自由や個人的自我の統一性を破…