三好十郎「胎内」より
僕あ、あれ以来、一人として、軽蔑以外の気持ちで、人を眺めたことがないんですよ。…そいでね、こうやってみんなを軽蔑している自分が、これでやっぱり日本人で、そして、実は、まっさきに、一番、軽蔑すべき虫ケラなんだ。そいつを俺が知ってることなんだ!そこんとこなんですよ!ヒヒ!トタンに、何を考えるのも、なにをするのもイヤアになっちまった。
僕あ、あれ以来、一人として、軽蔑以外の気持ちで、人を眺めたことがないんですよ。…そいでね、こうやってみんなを軽蔑している自分が、これでやっぱり日本人で、そして、実は、まっさきに、一番、軽蔑すべき虫ケラなんだ。そいつを俺が知ってることなんだ!そこんとこなんですよ!ヒヒ!トタンに、何を考えるのも、なにをするのもイヤアになっちまった。